今後伸びる産業は「娯楽」と「保険」

今後の産業は「娯楽」と「保険」、という言葉を、本日、偶然2回目にした。

1つは、高城剛氏のブログ。フランスの経済学者、ジャック・アタリの言葉だ。ヨーロッパで大ベストセラーとなった「21世紀の歴史」という2008年出版の本に述べられている。


問題を抱えていない国は、ひとつもない。
問題は問題をどれくらいの人たちが正しく理解しているかである。
今日の金融恐慌を予見したヨーロッパ最高の頭脳と呼ばれるジャック・アタリは、これから伸びる産業は「娯楽」と「保険」だという。
それをコントロールできれば、多くを支配できるということでもある。


もう1つは、藤原和博氏の「給料だけじゃ分からない」。藤原氏がヨーロッパ留学を終えリクルートへ出した社内レポートが掲載されており、そのなかで今後の成熟社会の特徴が5つ出されているが、最初の2つは:
(1)ありとあらゆる時間つぶし・暇つぶしが反映する。
(2)リスク・マネジメント感覚が増大する。

これには仰天した。このレポートは、1997年11月に書かれたもの。ジャック・アタリをさかのぼること10年。藤原和博氏の著作は、何度読み返しても新しい発見がある。新しすぎて自分ではなかなか実行できるレベルのことが少ないのが歯がゆいが。

ちなみに残りの3つは:
(3)すべての分野で”二極化”がおこる
(4)人々の帰属意識のベースがゆらぐ
(5)企業は自分のコアビジネスに特化して、全体はモジュール(組み合わせ)になっていく。


それにしても「娯楽」と「保険」というキーワードは、日本のなかでは余り強調はされていない気がする。介護、とか、抽象的に「サービス産業」とかはよく聞くが。成熟社会での産業、というのはどのように研究されているのか、他もあたってみたいと思った。